一般社団法人岩手県理学療法士会
会長  及川 龍彦                 

ご挨拶

昨年5月に新型コロナウイルス感染症は感染症法上の位置づけが5類となり,一見,社会はコロナ禍以前の生活に戻ったように感じられることが多々あります.一方で現在,新型コロナウイルス感染者は増加傾向にあり,表向きの社会活動に対して実際の生活にはギャップが感じられるところです.当会は本年に至るまで,他者との接触を避けながら県民・国民の皆さまに運動継続して頂けるよう,ひいては健康維持向上に対してどのように貢献出来るかを模索しながら事業を推進して参りました.結果として自宅で可能な運動パンフレットの作成,さらにはYouTubeを利用した模範体操を公開し県民の皆さまはもちろんのこと,他県からのお問合せを頂けるほどに好評を頂いているところです.昨年はパンフレットを更に見やすいものとするために刷新し,こちらについても多くのお問合せを頂いているところです.さて,当会では昨年からの取り組みとして,仕事前,仕事中の休憩時間を利用してリフレッシュを兼ねた運動習慣を定着するための取り組みとして「働く前体操」を考案し,関係各位へ配布させて頂いているところです.この運動は同一姿勢の持続や同じ場所ばかり使いがちな業務中の身体を大きくかつ全身的に動かすことにより,業務に伴う身体の変調を予防する効果も期待できるところです.「働く前体操」は当会ホームページでリズムを取るためのバックグラウンドミュージックも提供しておりますので,是非ご活用頂けますと幸いです.また,社会は学生スポーツも盛んになってきております.当会でも高校球児へのメディカルサポートをコロナ禍前の水準に近い形で提供させて頂いております.本会ではこれらの事業を通じ,当会の目的であります全世代の健康維持・向上に寄与できる事業をより活発化させてゆく所存にございます.

理学療法士の役割は障がいをお持ちの皆さまに対して理学療法を提供し,社会復帰のお手伝いを通じて社会生活を支えてゆくことはもちろんですが,県民・国民の皆さまの健康をサポートしてゆくことも,その使命の一つと捉えております.そのためには当会所属会員の技能を高めるため,学術・教育についても力を入れているところです.コロナ禍にあって,非接触の研修を中心に展開しておりましたが,感染症に注意の上,より理学療法士の技能向上に寄与できる研修を展開し,県内どこにお住まいでも均一な理学療法サービスを提供できるよう尽力して参ります.当会では病院・施設業務はもとより障がい予防,健康維持,地域包括ケアシステムへの参画を通じ,また,関係団体の皆さまとの協調を重視しながら県民・国民の皆さまへ貢献できるよう尽力してまいります.

県民・国民の皆さま,関係団体の皆さまにおかれましては,引き続き本会へ対する御理解と御支援を賜りますよう何卒よろしくお願い致します.

令和6年7月