大会長 関 公輔
いわてリハビリテーションセンター
理学療法士の資質として必要な条件に、「探究心」を挙げたいと思います。「探究」とは、ある物事の真の姿・あり方をさぐって見きわめることを示します。臨床現場では、日々の悩みと新たな発見の繰り返しによって、そのセンスが磨かれますが、患者の回復を支援する姿は、「探求」なくして成立しません。
理学療法士は、疾病・病期・個別性・社会環境に合わせ、適切で最適な治療や支援が求められます。その内容の複雑な組み合わせは、基礎知識、技術、思考、社会性、見識、素行といった本質的な資質を礎に、多様に富んだスキルを必要とします。私はこれらの構成要素の背景には、「探究」という言葉が湧いてきます。今回、自らの職域に自信をもって臨床実践に臨む理学療法士像を「探究と実践」という形で表現し、そのことについて大いに語る大会を目指します。
依然として、収まる気配のないCOVID-19の影響からさまざまな弊害を受けている環境ではありますが、WEBを通じて皆様と理学療法のあり方や自らの構えを見つめなおす機会にしたいと思います。
本大会では、前夜祭を皮切りに、皆様の演題発表を中心におき、日々の研鑽を多数の先生方でデスカッションして頂きたいと思います。またモーニングセミナーやランチョンセミナー、特別講演、教育講演も充実したものを準備し、WEBならではの開催形式で進めてまいります。
理学療法創生期は、人材も情報も経験も足りず、少ない資源で診療してきたと聞いております。現在は、人材、情報、環境も過渡期を迎え、岩手県理学療法士会の会員は1000名を超え、また認定・専門理学療法士も100名を上回り、量・質的に充実した会となってきています。
我々の目の前にある疑問に常に慢心することなく、真摯に向きあう姿勢は、まさに探究し、実践することであり、理学療法士のポリシーといえるのではないでしょうか。